梅雨が季節の変わり目で、体も夏に向けて変わっていく途中です。
気温と湿度が高くなると、蒸し蒸しして不快になります。
汗をかいて蒸発する際に体を冷やしてしまう、体温調節や発汗作用がうまく働かず
不調を起こしやすくなります。
湿度が高いと体に余分な水分が溜まりやすく、むくみや冷えを引き起こしやすくなります。
特に、消化吸収や水分代謝を司る「脾」に水がたまると、食欲不振や消化不良を起こし不調の原因になります。
そんな時のおすすめは梅干し(昔ながらの酸っぱい梅干し)
・骨、血管、筋肉、その他の組織を若返らせ、細胞の新陳代謝を促す
・クエン酸、リンゴ酸などの有機酸が疲れの原因を取り除く
・強力な殺菌パワー
・体内で酸性とアルカリ性のバランスをとる(梅干しはアルカリ性)
・常食すると三毒(食の毒・水の毒・血の毒)を浄化する妙薬
この時期は旬の野菜や根菜類も少ないので、ビタミンやミネラル、食物繊維が豊富な乾物(切干大根、高野豆腐、車麩、豆、ごまなど)や海藻類を活用するとよいです。
梅雨の終わりごろから夏野菜が出てきますが、夏野菜を生で食べていると体を冷やしてしまい、体調不良の原因になるので、余分な水分をとってくれる他の食材がおすすめです。
雑穀(ひえ、きび、あわ)
あわは利尿作用があり、むくみ改善に。
ひえやきびは消化を助け、疲労回復に。
白米に比べてビタミンB群や食物繊維が豊富。
はとむぎ
消化を助け、下痢の改善、利用作用がありむくみ改善に。
余分な熱や老廃物を排出して、シミ、そばかす、吹き出物の改善に役立つ。
とうもろこし
利尿作用があり、体を冷やさずに余分な水分を取り除き、むくみ改善に。
とうもろこしの甘みは食欲不振や疲労時の栄養補給になります。
ヒゲは「ギョクベイジュ」という生薬。高血糖、高血圧などに良い。
アスパラガス
体の熱を冷まし、汗などで失われた水分を補う作用がある。
アスパラギン酸が含まれていて、疲労回復に。
穂先にはルチンが含まれていて、血行促進・高血圧予防の作用。
さや豆
体内の余分な水分を排出するため、食欲不振、むくみ、下痢などの改善
解毒作用もあり、しみ、そばかす、吹き出物にも良い
早採りして食べる絹さや、未熟な豆のグリーンピース、逆に成熟しているエンドウ豆は同じ植物です。
緑豆もやし
もやしの中でも緑豆もやしが体の熱を冷ます作用が強い。
水分代謝やデトックス効果があり、むくみや二日酔いの改善に。
大豆
大豆は食欲不振や消化不良を改善
余分な水分を取り除き、大腸の調子を整えて、むくみや便秘対策に。
女性ホルモンと同様の働きをする大豆イソフラボンは更年期障害の改善に。
生姜
「脾」「胃」を温める作用が強く、胃腸の冷えに夜食欲不振や腹痛、吐き気などの改善
体温を上げて発汗を促し、余分な熱や水分を排出するのでむくみ改善
風邪のひき始めにも良い。
蒸して乾燥させた生姜の方が温める効果が強く、冬場はジンジャーパウダーを梅雨や夏場は生のものを。
じゃがいも
「脾」「胃」の働きをよくし、胃腸が弱い人の栄養補給に。
ビタミンC、カリウム、食物繊維が豊富で便秘改善、高血圧予防にも。
かぼちゃ
夏野菜ですが、体を温めます。
疲れてだるさを感じる方におすすめ。特にエアコンによる冷えでお腹を壊しやすい人や食欲がないときなどに良い。
β-カロテンが豊富で、目や皮膚、粘膜の肩甲維持にも役立つ
ビタミンEも豊富で細胞の酸化を防ぎ、血流がよくなるので動脈硬化の予防にも。
ピーマン、パプリカ
ピーマンは「肝」の働きを鎮めるのでイライラしているときなどによく、「胃」の機能を高めるので食欲がない時や胃がもたれている時に良い。
抗酸化物質のビタミンCやビタミンEが豊富で、風邪予防や美肌作りにも役立つ。
パプリカはピーマンよりもビタミンCやβ-カロテンが豊富で赤いパプリカは美肌にも。
レタス
身体の余分な熱や水分、老廃物などを排出するためむくみ改善。
食物繊維が豊富で便秘解消。カルシウムがあり、イライラしている時にもおすすめ。
ピーナッツ
「脾」を丈夫にして消化を促し、「肺」や腸を潤して、せきを止めたり、便秘を改善。
利尿作用があり、むくみが気になる方にもおすすめ。
薄皮にはポリフェノールが豊富で、強い抗酸化作用があると言われている。
メロン
身体の余分な熱や水分を排出するとともに、身体に水分をあたえ、喉の乾きをいやしたり水分代謝を調整する。
暑がりやむくみが気になる人はおすすめ。
体を冷やす作用が強いので、冷えのある人は食べ過ぎに注意。
暮らしの図鑑 薬膳 参照
体温調節が難しい時期ですが、エアコンをつけすぎず、食材を上手に利用して身体の機能を高めたいと思います。
季節にあった旬の食材を食べることはとても重要だと改めて感じます。
見方が変われば、食材に対する考え方も変わります。
食を見直すきっかけになれば、幸いです。