眠りについて悩みがある方も多いのではないかと思います。
私も仕事の状況や環境により、日々身体の状態は変わっていますし、睡眠に入るまでの流れがいつも同じにはできません。
その中で、自分に合ったやり方を見つけて工夫していくことが必要ですので、今回は睡眠についての内容をまとめてみました。
参考になれば幸いです。
【睡眠について】
人生の3分の1は睡眠と言われるほど、寝ることは重要です。
睡眠の質で残りの3分の2の人生が決まるというからすごいことです。
よく眠るには寝入りの90分がとても重要だと言われています。
では睡眠中の脳はどうしているのでしょうか。
〈脳と体を休ませる〉
睡眠では休息をとっています。脳は完全に休んでいるわけではありませんが重要な時間です。
日中は活動しているので自律神経の中でも交感神経が優位に働いています。
仕事や活動をするために筋肉を動かし、脳の働きも活発(集中力や緊張感)になります。
深い眠り(ノンレム睡眠)や食後、リラックスしている時は副交感神経が優位に働いています。
副交感神経が働くと内臓の活動も活発になり、消化や吸収、排泄も促されます。
特に寝入りの90分の深い眠りが重要です。
〈記憶を整理して定着させる〉
学習後に睡眠をとることで記憶の定着がすすむという知見も多いようで、
特に寝入りの深いノンレム睡眠で記憶が保存されるという報告もあるようです。
記憶するためには、眠ることが重要だと思います。
60-80歳では記憶にかかわる脳波が減少する(40%ほど)ことがわかっていて、寝た次の日では記憶や物覚えが悪くなっている
ということは起こるようです。
〈ホルモンバランスを整える〉
睡眠時には多くのホルモンが働いていることがわかっています。
良い眠りは生活習慣病の改善にもつながると研究でもわかっているとのこと。
睡眠不足になると食欲が増すことがあり、これもホルモンの働きによるものです。
体の成長や筋肉をつけるためには成長ホルモンの働きが重要ですが、特に寝入りの90分に最も多
く出るということです。
眠らないと…
インスリンの分泌が悪くなり血糖値上昇→糖尿病招くおそれ
食べ過ぎを抑えるレプチンというホルモンが出ず→太る
食欲が増すグレリンというホルモンが出る→太る
交感神経の緊張状態が続く→高血圧
精神不安定→うつ病、不安障害、アルコール依存症、薬物依存症招くおそれ
最高の睡眠 西野精治
〈免疫力を上げる〉
免疫とホルモンは連動していて、睡眠が良いとホルモンバランスも良く免疫力も高くなりますが
睡眠が乱れて、ホルモンバランスが崩れると免疫力も低下して病気やウイルスに体が負けてしま
うようになります。
〈脳の老廃物をとる〉
脳は脳脊髄液のプールに浸かっていて、衝撃などから守る働きをしています。
その脳脊髄液が入れ替わる際に、脳の老廃物も一緒に除去されているという報告があります。
睡眠の必要性はさまざまありますが、どうやったらスムーズに眠りにつけるかというと、
体温管理と光の調節、心身のリラックがポイントになると思います。
・体温を調節するためにお風呂に入る(浴槽に浸かる)
寝る2時間前にはお風呂に入り始めると、寝たい頃には体温が下がってきている状態になります。
寝るギリギリまで脳を活発に働かせてしまうと、体温が下がりにくいことがわかっています。
[※寝るギリギリにお風呂に入らないといけない状況の時は、体温を上げすぎないようにシャワーだけにする方が良いようです。]
仕事やスマホ(メラトニン分泌が低下する)、考え事、ゲーム、運動、食事など夜遅くまで活動するのは気をつけた方が良いことになります。
体の緊張状態が続いているという話であれば、仕事や生活によって全身の筋肉に張りや緊張感が残っていると、身体はリラックスできていない状態になります。
これも眠れない原因の一つになると思います。
自分の身体をリラックスさせて、筋肉を緩める方法を知っておくことも重要だと思います。
・光の調節
お風呂に入った後、ゆっくりな時間を過ごし光も落としていくと良いです。
間接照明などを利用して出来るだけ薄暗くしていき、寝室は真っ暗な状態にした方が良いです。
寝室でTVやスマホ漫画を見ているという方もいると思いますが、睡眠と目に入ってくる刺激を考えると避けた方が良いことになります。
・カフェイン
インスタントコーヒー、コーヒー、紅茶、緑茶、エナジードリンクなど
カフェインが抜けるのに8時間程度かかる(カフェイン量にもよる)と言われています。年齢が上がると分解する能力も低下するので分解により時間がかかることになります。
カフェインの飲み物は分解する時間を考えると午前中に飲む方が良いことになります。
・アルコール
寝酒をされるという方もいるかもしれません。
アルコールを飲んで眠りにつくと、普段の睡眠とは違う脳波になっていると言います。
麻酔をかけられた状態に近いと…
アルコールを分解してできるアセトアルデヒドがレム睡眠を奪ってしまうという。それは記憶の処理がうまくいかなくなります。
飲んだ次の日はしっかり寝たと思っても、寝た気がしないと思う時はそのような理由があるからです。
仕事環境、生活環境、家族環境などはさまざまだと思います。
何十年もこういう生活をしてきたという方は、その流れを変えることも難しいと感じると思います。
それでも睡眠に悩みがある方は、自分に合った方法を見つけながら生活を良い方向に変化させていくことはとても重要だと考えています。
時には変える勇気もいると思いますが、違和感や慣れないというのは最初の数週間だけです。
健康的な良い睡眠習慣を作ることは、残りの人生を充実させて楽しくしてくれるものだと改めて思います。