私たちは「血液が全身に流れている」ことで生きています。
血液は体の中を循環し、全身の細胞に酸素や栄養素を届けています。
もし、血液の流れが悪くなると細胞が元気を無くして、病気や怪我を引き起こす可能性があります。
座りっぱなしや立ちっぱなしのお仕事、運転が多いお仕事など夕方になると足がむくむという方は多いと思います。
それを当たり前だと考えてはいけないと石川医師(長年ふくらはぎ治療を実施)はいいます。
ふくらはぎと健康には関係があることがわかっています。
健康な人のふくらはぎは、つきたてのお餅のように暖かくて柔らかく弾力性に富んでいる。
対して病気の人のふくらはぎ
・高血圧 →ふくらはぎ 熱くて硬い
・急性炎症、カゼなど →ふくらはぎ 熱くて硬くない
・冷え性、婦人病、自律神経失調症→ ふくらはぎ 冷たくて硬い
・糖尿病 →ふくらはぎ 冷たくて柔らかい
・腎臓病 →ふくらはぎ 冷たくて柔らかく全く弾力がない
胃腸の悪い人は硬くてパンパンに張っているが、お腹も冷たく硬くなっていて触ると痛がる
肝臓の悪い人は柔らかくて全く抵抗感がないなどの特徴だった。
【ふくらはぎの役割】
全身に網の目のように張りめぐらされた血液は、心臓から酸素と栄養素を送り出されて全身をめぐり、二酸化炭素や老廃物を回収して再び心臓へ戻ってきます。そのポイントとなるのが「ふくらはぎ」です。
心臓より下にある血液は重力に逆らって再び心臓まで戻さないといけないので、ふくらはぎの筋肉が収縮して、ポンプの役割をしながら心臓まで戻すことができます。
心臓から一番遠いふくらはぎが頑張って血液を戻すことになり、重労働なので疲労しやすいと言えます。
その疲労がふくらはぎの働きを弱めて、血流が悪くなる原因になります。ふくらはぎを良い状態に保つことが健康の鍵になります。
ふくらはぎの状態のポイントは①筋肉の硬さ、②弾力性、③温度です。
【ふくらはぎマッサージ】
血液の循環を良くすることで、血流不良の根本的な改善ができるようになり、疲労回復を促し柔らかくて収縮しやすい筋肉を作ることができます。
〈方法〉
・ふくらはぎの内側・真ん中・外側の3つの部分に分けて行います。
・痛い刺激ではなく、行っていて気持ちが良いと思える刺激(さする・おす)にします。
・呼吸は(おす・さする)→息を吐く、(ゆっくり離す)→息を吸う
・1日1から2回を毎日が基本
・筋肉が温かく柔らかくなっている入浴後や寝る前に行う
(食後や飲酒後などは避けた方が良い)
ふくらはぎ内側
①床に両脚を伸ばして座った状態から片膝を曲げてふくらはぎの内側が上を向くようにします
②親指もしくは四指を使って、呼吸と合わせながら押す(またはさする)→離すをゆっくり繰り返し
内側くるぶしから膝に向かって押して(またはさすって)いきます
③膝まできたら、くるぶしに戻り同様に行い、気持ちよく緩みを感じるまで数回行います。
ふくらはぎ真ん中
①外側時と同様に片膝を曲げた状態にします
②ふくらはぎの真ん中を親指もしくは四指を使って、呼吸と合わせながら押す(またはさする)→離すをゆっくり繰り返し膝に向かっていきます。
③膝まできたら戻り同様に行い、気持ちよく緩みを感じるまで数回行います。
ふくらはぎ外側
①床に両脚を伸ばして座った状態から、片膝を内側に倒すように曲げて倒します
ふくらはぎの外くるぶしが上を向くようにします
②親指もしくは四指を使って、呼吸と合わせながら押す(またはさする)→離すをゆっくり繰り返し
内側くるぶしから膝に向かって押して(またはさすって)いきます
③膝まできたら、くるぶしに戻り同様に行い、気持ちよく緩みを感じるまで数回行います。
アキレス腱
①足裏を床につけるように片膝を曲げて立てた状態から親指と人差し指でつまむようにアキレス腱を優しく呼吸と合わせながら押す(またはさする)→離すをゆっくり繰り返す
②気持ちよく緩みを感じるまで数回行います。
〈効果〉
ふくらはぎをほぐすことで、心臓への血流量が増し酸素と二酸化炭素、栄養素と老廃物の交換が促され細胞が活性化すると、下記のような変化が起こり得ます。
1 血液のめぐりが選択的に行われ、病変部に多量の血液が送られる。
その結果、自己治療の作用が促される
2 免疫力(病気に抵抗する力)が高まる
3 各種ホルモンの筋肉・毛細血管への入りを助ける
4 自律神経のバランスが調整される
5 基礎代謝(生命活動を維持するために必要な最小限のエネルギー)を高め、新陳代謝を促進し、体温を上げる
6 細胞を若返らせ、加齢を遅らせる
7 脳細胞を活性化させる
他にも、糖尿病、高脂血症、慢性胃炎、便秘、肝臓病、腎臓病、アトピー性皮膚炎、気管支ぜんそく、花粉症、血流が促進されることで代謝が上がり、引き締まる効果や疲労回復の効果も期待できます。
ジムで行っている、マットに手をついて座り、膝を曲げた状態や伸ばした状態での足首の曲げ伸ばしや、
椅子などに座った状態での足首の曲げ伸ばしも力みを作らず気持ちよく動かすことで筋のポンプ作用を活用でき、血流改善できます。
これからの季節は冷えやすくなりますので、ふくらはぎを意識して動かしたり、ゆるめたりをぜひ行ってみてください。
参考文献 ふくらはぎマッサージ 石川洋一