脱力するには

みなさんは「脱力できた!」と感じることはありますか?

会員様と力をぬくことについて話す機会は多いですが、日々の生活でも硬くなっている筋肉を感じることができない方もいると思います。

本当に難しいことですが、力がぬけるとか脱力するということがわからない…

そんな方も多いと思います。

辞書で「脱力」を調べると、体の力がぬけることとあります。

体の力がぬけるとふにゃふにゃになって、今にも倒れそうなイメージを持つかもしれません。

全ての力を抜いてしまっては動くことができないので、骨に近い部分は身体の安定に最低限の力を使って、動作に使う腕や脚などは無駄な力みがない柔らかくしなやかな筋肉にしておく方が良いのではと考えます。

柔らかさを感じたり力みをぬくためのヒントは約70%の水分で人間は作られていることにあります。

人は液体と考えることができます。

「生きている人間のからだ、それは皮膚という生きた袋の中に、液体的なものがいっぱい入っていて、その中に骨も内臓も浮かんでいる」と野口三千三氏。

この考えに出会ってから、人は本来やわらかいもので、動きが硬いのは自然ではないのだと考えるようになりました。

自分は液体なんだとイメージしながら生活するだけでも、今までとは違う生活になるのかもしれません。

【やってみる】

マインドフルネスにボディスキャン瞑想というのがあります。

リラックスして寝た状態で行えるものです。

CDで音声(10分)になっているものを文字にしていて、長いので途中で割愛していますがゆるむ感覚を得られると思います。

〈準備〉

できるだけ楽な姿勢を取ります。温かくリラックスした状態で取り組めるように、軽い毛布を体にかけても良いでしょう。

 多くの人はボディスキャン瞑想を横になって行いますが、この姿勢で心地よく取り組めない場合は、椅子に座っても、立って瞑想してもまったく構いません。瞑想中に強い痛みや不快感を覚えた時は、自由に姿勢を調整してください。

 できるだけ力を抜いてベッドや床に身体をなじませます。腕は体の脇におき、両手をそっとお腹に乗せます。

 肩の力をぬいて、身体が床のほうへ沈んでいくのに任せます。顔も柔らかくリラックスさせて目は閉じたほうがよければ、軽く閉じます。手からも力をぬきます。

 脚は真っ直ぐに伸ばしても構いません。腰に問題があるなら、両膝の下に枕やクッションを置いて負担を取り除くか、脚を腰の幅に開き、膝を曲げて足の裏を床につけるセミ・スパインという姿勢を取ってもよいでしょう。自分にとって一番心地よい姿勢を選びます。

 落ち着いてきたら、身体を重力に預け、重みで床や地面のほうへゆったりと沈んでいくのに任せます。

〈スキャン〉

お腹の上に置いた手の動きで呼吸を感じとることから始めます。

息を吸うとお腹が少し膨らみ、息を吐くと少し縮むのが感じられるでしょう。

呼吸の仕方を変えたり、無理にコントロールしたりせずに、自然な呼吸に伴うお腹の動きをただ感じ続けます。胸の感覚はどうでしょうか。

息を吸うと肋骨が膨らみ、吐くと縮むのが感じられるかもしれません。

一呼吸ごとに、肺が空気で満たされたり、空になったりするのを胸の中で感じられるかもしれません。

胸とお腹の間には横隔膜という大きな筋肉があり、身体を上下に隔てるように広がっています。

息を吸うと横隔膜は身体の中で下がっていきます。

息を吐くと上がっていき、肺の下に傘やパラシュートのような形に収まります。

横隔膜は生まれた瞬間から死ぬ瞬間まで、休みなく動き続けています。

息を吸うのに合わせて下がっていく時は、内臓を緩やかに押し下げ、お腹を外に膨らませます。

息を吐くのに合わせて上がっていく時は、内臓が身体の内側に戻っていき、お腹も縮みます。

手の下でこのお腹の動きが感じられるでしょうか。呼吸をただ自然に任せ、その動きを感じ続けます。

 

そして、呼吸に伴う身体の動きが、さらに下の骨盤の底にまで及ぶのが感じられるでしょうか。

骨盤の底とは、前後に泌尿器と肛門、左右にお尻のあるダイヤモンド形の部分です。

骨盤の底への呼吸の影響はとてもわかりにくいので、何も感じられなくても気にすることはありません。

それでも実践を続けるうちに感覚が鈍くなり、息を吸うとわずかに広がり、息を吐くとわずかに縮んでいるのが感じられるようになるかもしれません。

すると骨盤の底全体がいくらか緩んで柔らかくなるでしょう。

この動きははっきりと目に見えたり、筋肉で動かしたりするものではありません。

静かな海のうねりを感じとるように、感覚でしか捉えられないものです。

 

次にお尻に意識を向けます。

力が入っていることに気づいたら、それを意識するだけでも自然と緊張が解けて、お尻がベッドや床に柔らかく馴染むのがわかるかもしれません。

次に意識を腰に向けます。

そして背中の中央、上部へ。床やベッドに支えられた自然な背骨の曲線や背中の形を感じ取りながら、意識を移していきます。

次に背中全体を意識します。

そのどこかで呼吸を感じとれるでしょうか。横隔膜の動きの影響が及ぶのは、身体の前面だけではありません。

呼吸に伴って背中側に何が感じられるか、意識してみます。

何を感じるでしょうか。

呼吸による身体の動きが腰にまで及んでいるのを感じるかもしれません。

腰に痛みや不快感があるときは、思いやりに満ちた穏やかな呼吸を向けて、痛む腰をやわしく包み込むようにほぐすことができるでしょうか。

大切な人が困っていたら自然と優しくするように、自分自身の苦しさに対しても思いやりを持って接してみます。

肋骨の動きが背中側でも感じられるでしょうか。息を吸うと膨らみ、息を吐くと縮みます。

肋骨や肺が身体の前面だけでなく背面にも及んでいることを、少しの間、意識してみるとよいでしょう。このように意識するのは初めてかもしれませんが、呼吸で背中側が動くのを感じられると自然と心が落ちつくかもしれません。

次に肩に意識を移します。

肩の力が抜けて下がっていき、ベッドや床にしっかりと支えられるのを感じます。腕も力を抜いて、肩からゆったりと下ろします。

意識を上腕、肘、手へと移していきます。

そして指の中へと注意を移します。しばらく、そのまま指の感覚に意識をとどめます。

ここまでいかがだったでしょうか?

読み進めた方々には本当に感謝しかありません。

ありがとうございます。

次に顔に移っていく流れですが、長くなってしまったのでこの辺で割愛させていただきます。

会員様でCDをぜひ聴いてやってみたいという方はお声かけください。

ここまでの流れを読みながらイメージするだけでも、ゆるむ感覚が出てくるのではないかと思います。寝る前や布団に入った際にゆっくり自分の体に意識を向けてみると良いと思います。

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