年齢を重ねていくと、肩のこりや背中の張りなどを感じる方は多いですし、自覚はないけど人に触られると凝ってますねと言われる方もいると思います。
下図の通り肩や背中の張りといっても、背骨は真っ直ぐではなくS字にカーブしていて4から6kgある頭を支えています。
頭と肩が前に移動すると、首を支える筋肉に負担がかかり、血流不足にもなります。
頭が2.5cm前に移動すると、背骨にかかる頭の重さが約4.5kg増加すると言われています。
重力に逆らいながら生活していて、頭の位置がずれたり、姿勢が崩れたりしている時間が長くなれば、その分身体のどこかに何かしらの症状が出てもおかしくないと考えています。
画像:グレイ解剖学
姿勢が悪い → 筋肉の働きが増える → 筋肉の血流が悪くなる → 乳酸などの疲労物質が溜まりやすくなる → 反射的に筋肉が収縮するという負のサイクルに入ってしまいます。
【予防するには】
肩や背中の張りに関係して重要になるのが肩甲骨と腕です。
肩甲骨と腕を動かすことが重要になります。
画像:グレイ解剖学
背骨にくっついて提灯のように広がる肋骨があり、肋骨を滑るように肩甲骨がついています。
肩甲骨は鎖骨とつながり、腕の骨がぶら下がっています。
肩甲骨は周囲の筋肉によって位置を保っています。
腕を動かして、周囲の筋肉を動かすことは鎖骨と肩甲骨を動かすことになります。
身体には背骨の前と後ろ、内側と外側のように必ずバランスをとるように筋肉があります。
姿勢が悪くなっていたり、どこか痛みがあるということはその身体バランスが崩れている可能性が高くなります。
どこかの筋肉は頑張って働いていて硬くなり、どこかの筋肉は弱くなって引っ張られることになります。
【硬くなっている筋肉はゆるめましょう。】
特にパソコン作業やスマホを日々使っている状況では腕が体よりも前にあることが多く、胸の前や腕の前が緊張していることが多くなります。
左右の硬さの違いを感じつつ、反対の手や柔らかめな小さいボールなどを使ってさすりましょう。
〈さする場所〉
・胸の上側(鎖骨の下や腕に近い部分)
・首から肩にかけて
・肩の前側から腕の前
・脇の下の肋骨あたり
〈首、肩をゆるめる動き〉
耳と肩を近づけて、ストンと肩を落とします
【腕振りしましょう】
硬くなった筋肉に緩みが出てくると、伸びやすくなります。
胸の前で手が近付くような角度で前後に腕振りしましょう。
腕は後方に開きながら楽に振ります。
ジムで動かしているように、軽い重りを持っても持たなくても構いません。
〈肩甲骨をよせる動き〉
立ったまま片方腕を垂らして(垂らした肩が下がる)、力を抜き(膝を軽く曲げて)上下に揺れるのもおすすめです。
上下にゆらゆら
【バランスを気にしてみましょう】
前が硬いと感じたら、後ろの筋肉を使うように意識しながら動かしましょう。
外側が硬いと感じたら、内側を意識しながら動かしてみましょう。
腕を振りながら左右ひねってみたり、立って壁に反対の手を近づけるように横に倒して体側を伸ばしてみたり、さまざまな動きを取り入れてみましょう。
立ちっぱなしや座りっぱなしで同じ姿勢をとっていると、筋肉は緊張します。
何かをずっと持つことも、動かずに力は使っているので筋肉は緊張します。
当ジムでは全身のバランスを調整するように、筋肉を働かせています。
ただ、日々の動きのクセは気づくことと、日々の中で予防することが必要になります。
負のサイクルにならないように、一定時間で体を動かしながら緊張をゆるめる作業を行ってみてください。血液が流れると筋肉も柔らかくなります。
小さな日々の積み重ねがとても大事だと考えています。