老けない身体をつくる食事

私たちの体は約37兆個の細胞から成り立っており、その1つの細胞自体が生命活動として完結しています。

細胞が集まることで、骨や内臓、血管や筋肉など様々なものを作り出しています。

その細胞が傷つき、機能を失っていくことが「老化」であると言います。目には見えないところから老化が始まっています。

【ミトコンドリアの力がカギ】

細胞のエネルギー工場であるミトコンドリアは、食べ物から得た栄養素と酸素を使ってエネルギー(ATP)を生産します。

このミトコンドリアが元気であれば、細胞も健康に保たれ、老化や病気を遠ざけることができます。

逆に、ミトコンドリアが機能低下を起こすと、代謝異常や活性酸素の発生が増え、細胞が損傷して老化が加速します。

そしてその原因の多くは、日々の食事とライフスタイルにあるといわれています。

現代の食生活は、加工食品や精製された糖質、質の悪い油に偏りがちです。

これらは血糖値の急上昇、酸化、炎症を引き起こし、ミトコンドリアを疲弊させます。また、食べ過ぎも細胞に負担をかけ、活性酸素の生成を増やすため老化を促進します。

1. 自然のままの食材を選ぶ

できるだけ加工されていない食材を使いましょう。

旬の野菜、果物、発酵食品、雑穀、ナッツなど、自然本来の栄養が詰まった食品は、細胞の修復や代謝に必要なビタミン・ミネラル・抗酸化物質が豊富です。

白米よりも五分づき米、玄米、全粒粉のパン、無添加食品が理想的です。農薬や添加物、有害金属などの蓄積は細胞機能を低下させます。無農薬野菜を選び、添加物の少ない調味料(味噌・醤油・みりん)を使いましょう。

2. 良質な脂をとる

細胞膜の材料となる脂質の質が細胞の健康を左右します。

トランス脂肪酸や酸化した油(揚げ物、加工菓子など)は避け、亜麻仁油、えごま油、青魚に含まれるオメガ3脂肪酸を積極的に摂りましょう。炒め油より「かける油」を基本に。

・徹底的に避ける→マーガリン、ショートニングなどに多い[トランス脂肪酸]

・なるべく減らす→バター、ラード、牛脂、ココナッツ油、パーム油など[飽和脂肪酸]

・なるべく減らす→ごま油、紅花油、コーン油、大豆油など[オメガ6脂肪酸]

・加熱調理に少量→菜種油、オリーブオイルなど[オメガ9脂肪酸]

・積極的にとる→亜麻仁油、えごま油、天然の青魚の油など[オメガ3脂肪酸]

3. 糖質とタンパク質の質に注意

白砂糖や精製された炭水化物(白米、白パン、うどんなどの麺類)は血糖値を急上昇させ、細胞を傷つけます。

[血糖値の上昇を抑える]

・代わりに全粒穀物(玄米、全粒粉パン)や野菜から糖質を摂ること。

・少食でよく噛むこと[30回から50回]→1口入れたら箸をおく

・冷やご飯にする[冷や玄米ならよりOK]

 でんぷん質を冷やすとレジスタントスターチという消化しにくいでんぷん質に変化します。

 このレジスタントスターチは食物繊維のような働きをして、胃や腸で消化されず大腸に直接届いて血中コレステロールや血糖値の上昇を抑えたり、脂質代謝の改善、腸内環境の改善など温かいご飯にはないパワーを秘めています。

タンパク質は、魚、豆、納豆、発酵食品など消化に優しく質の高いものを中心に。

タンパク質と言えばお肉類を思い浮かべると思いますが、お肉を食べるとあらゆる臓器(特に肝臓、腎臓、腸)に負担をかけて細胞を老化させてしまうのです。

【究極の食事】

「玄米」+「具だくさん味噌汁(野菜中心)」

個人的にはこれに梅干し、漬物、発酵食品、海藻類がそろえばとても良い組み合わせです。

玄米には雑穀や豆類(小豆、黒豆)をプラスするとさらに栄養価アップします。

和食は本当に素晴らしいと思います。

【出す(排出する)ことも重要】

現代人は「食べ過ぎ」によって細胞が疲れています。

週1回の軽い断食(例えば夕食抜き、水と野菜ジュースのみなど)を行うと、細胞の自己浄化作用「オートファジー」が活性化し、老化を防ぐ効果が期待できます。

細胞内の老廃物の排出には水とミネラルが欠かせません。常温の水をこまめに飲み、塩は精製塩ではなく天然塩(海塩・岩塩)を使いましょう。にがりや海藻からもマグネシウムなどの微量ミネラルを摂取できます。

定期的な運動(ほどよい負荷)や入浴で汗をかくこと、排便を促すことも解毒を助ける重要な手段です。

山田氏の食事法は、「何を食べないか」と「何を選ぶか」を意識することがポイントになります。

細胞が元気なら、体も自然に若返ります。

今の食生活をほんの少し整えるだけで、10年後の自分が大きく変わるかもしれません。

参考文献:細胞レベルで老けない最強の食事 山田豊文、山田知世

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