人の60-70%は水分であり、骨や筋肉、内臓や血管、神経や脂肪、軟部組織など様々なものが水分で満たされています。
皮膚の下には表皮、真皮、脂肪、軟部組織、浅い筋膜、深い筋膜、筋肉の境目にも内膜、外膜などバームクーヘンのように何層も重なり、薄い膜で覆われています。
(過去の記事→皮膚はただの袋ではない)
実際に水分に満たされた膜を見ることはできないのですが「生きた筋膜の構造」に着目した解剖書を見て身体のすごさを改めて感じました。
皮膚の下はこんな状態になっているのかと思うと考え方も変わってきます。
(この感動はなかなか伝わらないと思いますが…)
雨上がりに水のついた蜘蛛の巣のような部分もあれば、薄い氷の膜にヒビが入ったように見える部分、光が当たることでキラキラしていて(水みずしい)、空間があるようにも見える部分もあります。
それは芸術作品のようで、「テンセグリティ(張力と統合性の造語)」構造が体の中の至るところにあり(顕微鏡で確認できる)小さな組織(素粒子)の集まりで私たち人間が形作られていることになります。
(↑テンセグリティ構造)
※ご来店されたことがある方はジムのカウンターにこのようなものが置いてあるのご存じでしょうか?
【筋膜のすごいところ】
・弾力がある
・復元力があり、変形しても元の位置に回復する能力がある。
・体内の組織とつながっているので頭から爪先まで全身つながっている。
・力の伝達をする(全身に伝えている)
・痛みも感じる
身体を動かすためには、筋肉が動く必要があります。そして筋肉は筋膜を通して全身に力を伝えます。全身に力が伝わるということは、水みずしい筋肉や筋膜、組織だからこそ柔らかくスムーズに伝わります。
トレーニングをする際によく言われることですが、目的のために〇〇筋を鍛えましょう。
しかし本来であれば、筋肉は全身に作用しています。
一部分だけの筋肉が動いているわけでないので、一部分の筋肉を鍛えても全身には作用されにくいということです。
日常生活もそうですし、特にスポーツであれば、一部分を使った動きなどはまれであり、全身を使ってパフォーマンスすることの方が圧倒的に多いと思います。
全身を使って筋膜のつながりを感じて筋肉を働かせることが重要になります。
【日常生活では】
・寝た状態から起き上がる
・床や椅子に座ったところから立ち上がる
・道具を持って掃除する(ふく、はく、みがく)
・階段の上り、下り
・荷物を持ち上げる、移動させる、置く
・身体を使う仕事
・料理(作る、皿洗い)
・洗濯(手洗い、干す)など
座っている・立っているだけでも使っていないように見えて、姿勢を保つために筋肉は働いています。
歩く・移動する・動作をすることは下半身の力を体幹へ、そして上半身へとつながりながら動かしています。
その反対も同様です。
上記のような動作を全身スムーズに行えると、とても楽に動かすことができます。
動かし方を間違えないように、身体の使い方を意識していくことが必要になり、それが年齢を重ねても肩や腰や膝など痛めることなく元気に過ごせる秘訣になります。
※合わせて過去の記事もチェックしてみてください♪